産土

極度の出不精であるので、ーーー行く、赴く、GO
そんな語感を持つ言葉を名前につけさえすればなんとかなるだろう、そう安易に考えた。
「カメラを持った男」であり続けるためには、とにかく家を出なければ話にならない。

そして2010年のある日、
僕は名前を参（マイル）と自ら変えた。
ジェットコースターにでも載せられてしまったかのように、そこから僕の「藁しべ作家」的人生が始まることになる。東京を出て、徳島の山の中に棲むようになった。そこを拠点にし、様々な場所に赴きはじめた。最初はどこも代わり映えのない風景だと思えていたが、一歩更に奥へと進んでみたり、出会う人々に話を尋ねてみたりすると、別のレイヤーとでも言うような、なにものかが浮かびだしてきた。僕はそれを『産土』と名付けて二時間のドキュメンタリー映画にすることにした。その旅は現時点でも続いている。

今回出品するものは、2012年の数ヶ月間、北は山形出羽三山から南は沖縄久高島までの六つの場所の旅をまとめた、僕の最初の作品である。

『産土』
監督：長岡参
主要国外映像作家：Ben Ruffell/John W. J. Cho/Kirsten Tan
制作：長岡活動寫眞/トノループ・ネットワークス
プロデューサー：長岡マイル/トム・ヴィンセント
第一部「山と限界」
第二部「あたりまえの生活」
第三部「山伏と神の島」

2013|日本|日本語＋English Subtitle|120分|カラー|MOV|ドキュメンタリー

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