東京タワーが夜映える町 02

写真家

工藤 力

夜の帳が下りる
今日も撮影の始まりだ
心躍らせ、どんな感じで攻めようか
いつも新しい気持ちでスタートする

光を取り入れた乱反射にしてみようかな・・・・・
ミドルトーン・ダークトーンで攻めようかな・・・・・
いろんな事が頭の中を錯綜する。
その時、その時で判断をしていって、
撮らされるのではなく、こう撮ると強く意識する。
1 枚1 枚に考えを込める。


気の向くままにシャッターで素早く素描する。
まるで絵画で言うところのクロッキーのように、
短く連続する事で考えをまとめていく事にする。
そして繰り返し消化する。
イメージを固めて表現するために
その行為は、思いかけず良いものを生み出す事になる。
また、意識をしながらラフにも撮影する。
夜町を歩く
狙う獲物は一つ
撮影する時はいつも決まっている。
見る、考える、行動する、の繰り返しだ。
繰り返し、繰り返し、それでいて新鮮に、一瞬は新しい事の連続である。
夜は、始まったばかりだ。


どんどん攻めていこう。
撮影する時は、悩まない事にしている。
なぜならその場で良いと思うものを撮影していると信じているから
信じることは、力になる。


夜の帳が下りる
新しい世界の始まり
それを見つける為の夜散歩

Profile

工藤 力

1969年、神奈川県出身
多摩美術大学 大学院美術研究科(油画) 卒業
文化堂印刷株式会社 勤務
「13歳の黙示録」(宗田理 2000年8月刊)表紙に採用
南足柄市広報「表紙作品」として2年間採用

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