ブレている。
俳優
永山 瑛太
幼い頃の写真をみていたら
「電撃戦隊チェンジマン」のソフビを嬉しそうに持っている私。
しかし、チェンジマンの記憶は、ほぼ、ない。
ストーリーも、音楽も、活躍ぶりも、悪者も、覚えていない。。
覚えているのは、
「チェンジマンが好き」だけ。
記憶は、不思議だ。
幼い頃の記憶を振り返ると、
つらかった、悲しかった、苦しかった記憶
の方が勝る、
気がする。(今は違う、アップデートしたので)
でも、母が幼い頃、家族を撮り続けた日々の写真をみると、
家族みんな、笑っている。ふざけ、くだけている。
楽しそうだ。
絶対に幸せだった。
勿論、色々あったとはいえ、
一年365日の333日ぐらいは、幸せで満ちていたと思う。(私なりの幸せ定義は幸せボルトが緩んだ時に書こう、、)
写真が記憶を上書きする。
写真が記憶を煌びやかな日常に変える。
母は、意識的にこの作用に気づいていたから撮り貯めていたのか!?
幼い頃から、
なんでそんな8ミリビデオ回したり、
写真撮ったりするんだろ。。もーいいよー、
そんな私の気持ちは、
写真、なんで?、どんな顔すれば良いの?
映画、面白い、ビデオ、動く自分、恥ずかしい、カメラの前に立つ、苦手意識、写真への執着、モデル、演じたい、俳優、撮りたい、
写真を毎日撮る、写真の連載、個展、
家族の写真、と移行していった。
最近、息子はカメラを向けると嫌がる。
フッと首をどこかへ向け、顔が映らないようにする。娘が撮ろうとするとハッキリ「やめて」と発する。
家の中でバズーカーのようなレンズで盗撮したい気持ちを抑え、さりげなく、GRを持って近づきサッと撮って、私がその場からいなくなる戦法。
先日、サッカー合宿から帰ってきた息子は、
疲れた〜眠い〜と疲れ果てていたが、
いつも妻に任せていた泥だらけの洗い物、
妻は仕事だったので何となく私が促した。
洗濯物を分けて、我が家の隅っこでスパイクを洗い始めた。
この光景は!
これは写真だ。
ダメだ、撮らなくて良い。記憶に閉じ込めよう。。
いや、撮っておこう。撮りたい!
嫌がられても撮ろう。
バレないだろう。。
パチ、パチ、パチ、3枚撮ってその場から去った。
息子の背中の、丸み。
もう赤ちゃんではない。
なんだか、どんどん成長していく息子に、
嬉しい気持ちと、距離がうまれている感覚に
胸が、目が、視界が滲んだ。
いつかこの家から出ていってしまうのか。
でも、愛する子には旅をさせなければ。
強く、優しい男になってる。
大丈夫。
確実に、
私より、
良い男だから。
明日から私はまた地方だ、、
昼間、妻と娘とのデートの時に
娘がGRで写真が撮りたい、と言い始めたので、
天才写真娘にGR2を託した。
なう、息子と娘のベッドを1人で分解して
マットレスに変換させたギックリぎりぎり親父は、また、
宇宙と地球の間をゆっくりと進んで、
着陸まだかな俳優スイッチ入れなきゃタイムと闘っている。
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