ブレている。
俳優
永山 瑛太
毎日、同じなんてない。
それだけだ。
神さまは、いるのかな。
仏様は、どこにいるのかな。
虫がいる。
飛べるんだね。
生きてるんだよね。
死にたくないよね。
この部屋から出ていってくれてもいいよ。
どうしてもいたいなら、邪魔だけはしないで。
気が散るから。
気が散るって、、なんだ。
「気持ちが一つに集中しないで、いろいろなことに心がひかれる」
君に心ひかれては、いないかな。
でも生きてるんだもんね。
まあ、いいか。
その隅が心地よいのか。
なら、いいよ。
でも、お願いだ、
そのクチバシで、
僕の血を吸わないでくれ。
刺してもいいけど、
かゆい毒はいれないでくれ、
頼む。
気が散るなあ。
そんなこんなで、
舞台、正三角形関係。
今は、何回、公演したか、数えていない。
まだまだ、前半だ。
ラストのシーンを終え、
カーテンコール、拍手を頂ける場所に立っている自分。
毎回起こる、あの感情。
役者やってきて、良かった。
これは、誰もが味わえるものではない。
演劇は、お客様のものだ。
先日、早めに劇場入りし、劇場周りを歩いていたら、あ!と、足が止まった。
高校時代、帰り、池袋から電車で帰れるのに、
わざわざ時間をかけて、
自宅まで、バスに乗って帰宅する高島平操車場行き。
あの頃、どうやって生きていくか、途方にくれていた時と変わらない、
東京芸術劇場。
私は、今、この中にいるんだ。
気が散ったが、
私は、今から、
その日、その時間に
この劇場の舞台の上に立つ。
気を込めて。
俳優
永山 瑛太
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